しゅうまつのやわらかな、|浅井 音楽 (著), つくみず (イラスト)
¥1,980
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とてもやわらかな言葉とやさしい語り口で、日々のしんどさや弱さ、人生の難しさに柔らかく手当をするように向き合わせてくれる、そんな本が登場しました。
くすっと笑えるような言葉遊びも交えながら、日々の生き方、おおげさにいえば人生を一緒に見つめ直してくれます。
―鮮明に思い出せることほど、ほんとうは忘れられたことなのかもしれない。
忘却と喪失。停滞と安寧。異端の言語感覚で綴られる、過ぎ去った日々の心象。
随筆。小説。詩。日記。変幻自在に境界を超える筆致が織りなす待望の随想集。
装画:つくみず
装丁:名久井直子
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小さなころの夢は石になることで、いま夢みるのも石になること。
もの言わず、もったりと、ただそこにあるだけのものでありたい。
水と風に磨かれて、つやつやしたからだにひかりを溜めていたい。
ときどき拾われて、飾られたり投げられたりするのも、悪くない。
むきだしのみじめさを武器にも鎧にもしないで、そこにありたい。
『石の日』より
……きっと、何者にもなれない。そんな言葉を聞いて、煮物にもなれない、と思った。
何者にもなれない、という十の音のつらなりは、その九つを煮物にもなれないが占める。
『煮物にもなれない』より
ことばはすべて、こころの翻訳だから、決して明かされない秘密を持っている。ちょうど湖の水を手にすくいとったとき、手の中の水はもう湖ではないように、そんなふうにしかことばをあつかうことはできないのだと、しずかにあきらめている。
『コンサバ』より
深淵をのぞくとき深淵もまたひとりぼっち。しーん。えーん。
『めそめそメソッド』より
神は細部に宿るのではなく、細部を見つめる視線に宿る。
それか、細部にすました耳に。こまやかさをこぼさないよう、ふるえる手つきの中に。
『ゴッホとズボン』より
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レビュー
(30)
